やらなければならないことは分かっているのに、なかなか始められないことがあります。机には座ったのに別の画面を開く、準備だけして時間が過ぎる、「もう少しやる気が出てから」と後へ回すこともあります。
こうしたとき、やる気を高めようとすると、始められるかどうかがその日の気分に左右されやすくなります。やる内容がすでに決まっているなら、気持ちを変えることとは別に「どうやって開始へ入るか」を決める方法があります。
そのために使うのが、開始の合図と最初の動作です。普段の中で必ず起きる出来事を合図にして、その直後に何をするかまで先に決めておきます。
この記事では、やる気が出るのを待つのではなく、始める直前の迷いを減らし、行動へ入りやすい形を作る方法を考えます。
止まる場所を確認する
やることが決まっているのに、実際の開始までに何をしているかを見ます。
開始の合図を決める
毎日の中ですでに起きている出来事を、行動へ移るタイミングとして使います。
最初の動作を固定する
合図のあとに何をするかを1つ決め、同じ組み合わせで数回試します。
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やる気より先に開始までの寄り道を確認します
「やる気が出ない」と感じていても、実際には作業を始める前にいくつもの判断や寄り道が入っていることがあります。
たとえば資料を作ることは決まっているのに、先にメールを確認する、必要なファイルを探す、机の上を片づける、どこから始めるか考える。その間に別のことへ移り、作業そのものは始まらないまま時間が過ぎます。
- 始める前にメールやニュースなど別のものを開いている
- 必要な資料や道具を探すところから始まっている
- 「どこからやろう」と毎回考えている
- 気分が乗るまで別の作業をして待っている
何をするかが決まっているなら、最初から仕事全体を変える必要はありません。開始までに毎回発生している判断を減らすと、気分とは別に行動へ入りやすくなります。
「いつ」「何をするか」を開始時に考えない形へ変えます
始める直前に決めることが多いほど、「まだ今でなくてもよい」という選択肢も残ります。そこで、作業を始める時点で考えていることを先に決めておきます。
特に確認したいのは、開始するタイミング、最初に触るもの、最初に行う動作です。この3つを毎回その場で選ばないようにします。
開始のタイミング
「やる気が出たら」ではなく、毎日の中ですでに起きている出来事を使います。
最初に触るもの
ファイル、ノート、道具など、作業へ入るとき最初に使うものを決めます。
最初の動作
開く、表示する、置く、確認するなど、合図の直後に行う1つの動作を決めます。
ここでは「作業を全部終わらせる方法」を決める必要はありません。開始前に止まりやすい人に必要なのは、作業内容を増やすことではなく、何をしたら「始めた状態」になるのかを分かりやすくすることです。
毎日起きる出来事と最初の動作を1組にします
始めにくいことを1つ選び、その行動へ入る合図を決めます。新しい予定を増やすのではなく、すでに日常で起きている出来事を使うと分かりやすくなります。
たとえば「朝の打ち合わせが終わったら」「昼休みから席へ戻ったら」「パソコンを起動したら」などです。その直後に行う最初の動作も1つだけ決めます。
合図を1つ選ぶ
毎日または対象日に自然に起きる出来事を1つ選び、開始のタイミングとして使います。
最初の動作を決める
合図が来たら、対象のファイルを開くなど、迷わず実行できる最初の動作を1つ行います。
同じ組み合わせで試す
1回ごとに方法を変えず、数回同じ合図と動作を使って開始しやすさを確認します。
朝から「今日こそ資料を進めよう」と考えているのに、メールや別の仕事を先に始め、午後になっても資料へ入れないとします。
この場合、「やる気が出たら資料を作る」のではなく、「午前の打ち合わせが終わったら」を開始の合図にします。そして最初の動作を「報告資料のファイルを開き、前回止めたページを表示する」と決めます。
打ち合わせが終わったら、メールを確認するか資料を開くかをもう一度考えません。まず決めたファイルを開きます。そこまでできたあと、作業へ入りやすかったかを見ます。
数回試してもファイルを開く前に別の作業へ移るなら、合図が分かりにくい可能性があります。その場合は「席へ戻ったら」など、もっとはっきり分かる出来事へ変えます。
大切なのは、開始時に毎回自分を説得しないことです。「今日はやりたいか」を先に考えるのではなく、決めた合図が来たら決めた動作を行い、その後の進み方を確認します。
やる気が上がったかではなく開始までの寄り道が減ったかを見ます
この方法を試したあとに確認するのは、「以前よりやる気がある人になったか」ではありません。開始の合図が来てから実際の行動へ入るまでが分かりやすくなったかを見ます。
- 決めた開始の合図に気づくことができましたか?
- 合図のあと、別の作業へ寄り道する回数は減りましたか?
- 最初の動作を始めるときに、もう一度「何からやるか」と考えませんでしたか?
- 最初の動作をしたあと、本来の作業へ入れることが増えましたか?
合図そのものを忘れるなら、毎回必ず起きる出来事へ変更します。合図には気づくのに最初の動作をしない場合は、その動作の前に別の準備が必要になっていないか確認してください。
最初の動作までは簡単にできるのに、その後すぐ止まる場合は、「始められない」問題とは少し違います。その場合は、作業の続け方や途中の進み方を別に考えた方がよいでしょう。開始と継続を同じ問題として直そうとしないことも大切です。
今日後回しにしていることを1つだけ対象にします
すべての行動へ開始ルールを作る必要はありません。まず、やる内容は分かっているのに何度も後回しにしていることを1つだけ選びます。
今日のポイント
- やる内容は決まっているのに始められないことを1つ選ぶ
- 普段の中で自然に起きる開始の合図を1つ決める
- 合図の直後に行う最初の動作を1つ決める
- 合図が来たら、やる気を確認する前に最初の動作を行う
- 終わったあと、開始前の寄り道が減ったか確認する
うまく始められなかった場合も、「やる気が足りなかった」で終わらせません。合図が弱かったのか、最初の動作が曖昧だったのか、途中に別の準備が隠れていたのかを1つ確認します。
合図が分かりにくければ変える。最初の動作が大きければ、さらに手前の具体的な動作へ変える。同じ組み合わせを数回試し、開始へ入りやすくなった形だけを残します。
始めるかどうかを毎回気分に聞かない形を作る
やる気は、同じ人でも日によって変わります。やる必要があることを始めるたびに「今日はやる気があるか」を確認していると、開始のタイミングも毎回変わりやすくなります。
すでにやることが決まっているなら、開始の合図と最初の動作を先に1組にしておく方法があります。合図が来たら、まず決めた動作を行う。そこまでを開始の入口として固定します。
試したあとに見るのは、やる気の強さではなく、開始前の寄り道や迷いが減ったかどうかです。始めにくければ合図や最初の動作を変え、入りやすかった組み合わせを残すことで、気分だけに頼らない始め方を作れます。
やる気が出ず始められないときに確認したいこと
- やること自体はすでに決まっていますか?
- 開始前に毎回どんな寄り道や判断が入っていますか?
- 日常ですでに起きている出来事を開始の合図にできますか?
- 合図の直後に行う最初の動作が具体的になっていますか?
- 試したあと、やる気ではなく開始までの迷いが減ったか確認できますか?
