貯金が少しずつ増えてくると、今度は「減らしたくない」という気持ちが強くなり、お金を使うこと自体に迷うことがあります。
以前から欲しかった物を買う、旅行へ行く、暮らしを便利にする物へお金を使う。払える金額だと分かっていても、口座の残高が減ることを考えると決めきれないことがあります。
反対に、「貯金があるから大丈夫」と金額だけを見て使うと、その後に必要な支払いまで圧迫する可能性があります。
そこで、使う金額そのものではなく、使った後にいくら残るのかを確認してから判断します。残るお金とこれからの予定が見えると、「使う」「少し金額を下げる」「今回は待つ」を自分の暮らしから選びやすくなります。
使いたいものを1つ決める
漠然とお金を使うのではなく、今迷っている支出と必要な金額を1つだけ確認します。
支出後の残高を見る
現在使えるお金から支出予定額を引き、使った後に残る金額を確認します。
3つの選択肢から決める
残高と今後の予定を見て、使う、金額を下げる、今回は待つのどれかを選びます。
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貯金が減ることだけを見て判断していないか確認します
貯めたお金を使うと、残高は必ず減ります。その数字だけを見ると、必要な支出や以前から楽しみにしていたことでも「使わない方が安心なのでは」と感じやすくなります。
しかし、貯めたお金には、ただ残しておく以外にも役割があります。将来に備えることもあれば、暮らしを整えること、時間を増やすこと、経験や楽しみに使うこともあります。
まず、今迷っている支出を1つだけ取り上げます。「何となくもっと使いたい」ではなく、何に、どのくらい使おうとしているのかを具体的にします。
- 残高が減ること自体が嫌で、必要な買い替えまで後回しにしている
- 使えるお金はあるのに、どこまでなら使ってよいか分からない
- 使った後に必要になるお金を確認せず、漠然と不安になっている
- 貯める目標はあったが、使う基準を決めたことがない
支出する以上、残高は減ります。判断したいのは、減った後でも自分が守りたい暮らしや予定を維持できるかどうかです。
今後すべての支出について基準を作る必要はありません。まずは、今実際に迷っている1つの支出だけで試します。
支出額ではなく残したい状態を3つの視点で確認します
「10万円なら高い」「3万円なら大丈夫」というように、金額だけで使うかどうかを決めるのは難しいものです。同じ金額でも、現在持っているお金や今後の予定によって負担は変わります。
そこで、支出予定額ではなく、使った後の自分の状態を3つの視点から確認します。
守っておきたい残高
ここを下回ると日常生活や安心に影響しそうだと自分が考える金額を確認します。平均額ではなく、自分の暮らしから決めます。
これからの予定への影響
近いうちに予定している支払い、買い替え、家族の予定などへ今回の支出が影響しないかを確認します。
今回のお金で得たいもの
物そのものだけでなく、便利さ、時間、経験、楽しみなど、何のために使うのかを確認します。
この3つを確認すると、「貯金が減るから使わない」「持っているから使う」という2択から離れやすくなります。
たとえば、欲しい物があっても、購入後の残高が自分の守りたい水準を下回るなら、今回は金額を抑える方法があります。反対に、購入後も必要な余裕が残り、以前から必要としていた物なら、使う選択もできます。
銀行残高から使う予定額を引いて支出後の金額を確認します
ここでは、頭の中だけで「たぶん大丈夫」と考えず、現在使えるお金と支出予定額を実際に確認します。
今迷っている支出を1つ選び、銀行口座などで現在使える金額を確認します。そして、電卓で支出予定額を引きます。見るのは、買う前の残高ではなく、買った後の残高です。
支出額を1つ決める
旅行、買い替え、趣味など、今迷っている支出を1つだけ選び、必要な金額を確認します。
支出後残高を出す
現在使える金額から今回使う予定額を引き、支出した後に残る金額を実際に確認します。
残った状態で判断する
守りたい残高や今後の予定と比べ、使う、金額を下げる、今回は待つのどれかを選びます。
「この金額を使うのはもったいない」と考えるだけではなく、その金額を引いた後の残高を確認します。
その状態でも、自分が残しておきたい金額を確保でき、近いうちの予定にも影響せず、その物を実際に使う理由がはっきりしているなら、「使ってもよい」と判断する材料になります。
反対に、支出後の残高を見ると予想以上に余裕が小さくなるなら、少し安い選択肢へ変える、時期を後ろへずらすという調整ができます。
重要なのは、支出できるかどうかを残高の多さだけで決めないことです。使った後にどのような暮らしが残るかまで見ることで、支出と安心を一緒に考えられます。
使ってよかったかは残高だけでなく暮らしの変化も確認します
実際にお金を使った後は、「いくら減ったか」だけで評価しません。今回の支出によって何が変わったかも確認します。
使った後に残高が減っていても、その支出によって毎日の不便が減った、時間を使いやすくなった、楽しめた、必要な経験ができたのであれば、その結果も支出の一部です。
- 支出後も自分が守りたい金額を確保できていますか?
- 予定していた別の支払いへ影響は出ていませんか?
- 使う前に期待していた便利さや経験を実際に得られましたか?
- 使ったことへの不安が長く残っていますか、それとも支出後に落ち着きましたか?
- 同じ状況になったとき、もう一度このお金の使い方を選びたいと思いますか?
想像していたほど価値を感じなかった場合は、次回の金額を小さくする材料になります。反対に、暮らしへの効果が大きく、支出後の家計にも問題がなければ、同じ目的への支出を過度に怖がる必要はないと分かります。
こうして実際の結果を確認すると、自分にとって「使ってよいお金」の基準を少しずつ作ることができます。
使うか迷っている支出を1つだけ支出後残高へ置き換えます
資産全体について「いくらまで使ってよいか」を一度に決める必要はありません。今日できるのは、今迷っている支出を1つだけ支出後の残高へ置き換えることです。
今日確認すること
- 今、お金を使うか迷っているものを1つ選ぶ
- そのために必要な金額を確認する
- 現在使えるお金からその金額を引く
- 残った金額で今後の予定に問題がないか確認する
- 使う、金額を下げる、今回は待つのどれかを決める
今回は待つという判断になっても構いません。目的は「お金を使うこと」ではなく、漠然とした不安だけで止めず、自分の暮らしから理由を持って決められるようにすることです。
貯めたお金は減らさないことだけが目的ではありません
貯金が増えるほど、減らすことに抵抗を感じることがあります。しかし、お金を残すことだけを基準にすると、必要な買い替えや、自分が大切にしたい経験まで先送りし続けることがあります。
だからといって、貯金があるという理由だけで使う必要もありません。大切なのは、今回いくら使うかと同時に、使った後に何が残るのかを見ることです。
守りたい残高を維持できるか。今後の予定へ影響しないか。そして、今回のお金で何を得たいのか。その3つを確認したうえで、使う、金額を小さくする、今回は待つという選択ができます。
貯めることと使うことを別々に考えるのではなく、どちらも自分の暮らしを整えるための選択として考えてみてください。
貯めたお金を使う前に確認したいこと
- 使う金額だけでなく、使った後の残高を確認しましたか?
- 自分が守っておきたい金額を下回りませんか?
- これから予定している支払いへ影響しませんか?
- そのお金で何を得たいのか説明できますか?
- 使う以外に、金額を下げる、今回は待つという選択肢も確認しましたか?
