同じ出来事について話しているはずなのに、相手と意見がまったく合わないことがあります。説明を重ねるほど話が長くなり、「どうして分かってくれないのだろう」と感じることもあります。
こうした場面では、どちらかが間違っているとは限りません。「実際に起きたこと」と「そこから自分が感じたことや考えたこと」が混ざっているため、話がかみ合わなくなっている場合があります。
話を整理するときは、事実・解釈・要望の3つに分けます。相手を言い負かすのではなく、何について意見が違うのかを見える状態にすると、次に何を話せばよいかが分かりやすくなります。
共通する事実を確認する
評価や推測を入れず、実際に確認できる出来事だけを先にそろえます。
解釈を事実から分ける
自分がどう受け取ったのかを、相手の意図だと決めつけずに言葉にします。
次にしてほしいことを決める
過去の正しさだけを争わず、これからどうするかを具体的に決めます。
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話がこじれたら何を争っているのか確認します
意見が食い違うと、自分の考えをもっと詳しく説明したくなります。しかし、相手も同じように自分の考えを説明し始めると、話す量だけが増えていくことがあります。
まず確認したいのは、「何について意見が違っているのか」です。実際に起きた出来事が違うのか、その出来事の受け取り方が違うのか、これからしてほしいことが違うのかで、話す内容は変わります。
- 「いつも」「絶対に」など大きな言葉が増えている
- 相手が何を考えていたのかを推測で決めている
- 実際に起きた出来事を互いに確認していない
- 相手の話を聞く前から反論を考えている
どちらが正しいかを決める前に、「どこまでは共通して確認できるか」を探すと、話し合う範囲を小さくできます。
事実と解釈と要望を別々に考えます
話し合いが難しくなる大きな理由の1つは、種類の違う話を1つの文章に詰め込んでしまうことです。「遅れた」「だらしない」「もっと早くしてほしい」は、似ているようで役割が違います。
まず、話したい内容を事実・解釈・要望の3つに分けます。この3つを分けるだけでも、相手がどこに同意し、どこに別の考えを持っているのかが見えやすくなります。
事実
日時、言葉、行動など、互いに確認できる出来事を書きます。評価や気持ちはまだ入れません。
解釈
その出来事を自分がどう受け取ったのかを書きます。相手の本心だとは決めつけません。
要望
これからどうしてほしいのか、自分はどうするのかを具体的な行動として言葉にします。
「事実」は同じでも「解釈」は違うことがあります。そこを混ぜずに話せると、「出来事そのものを否定された」と感じにくくなり、互いの考えを確認しやすくなります。
伝えたいことを3つの文章に書き分けます
実際に話す前に、頭の中にある言葉を短く書き出してみます。長い文章を作る必要はありません。事実、解釈、要望をそれぞれ1文にすると、自分が何を伝えたいのかを確認できます。
特に気をつけたいのは、解釈を事実のように言わないことです。「やる気がない」「私を軽く見ている」といった言葉は、自分にはそう見えていても、確認できた事実とは限りません。
確認できる事実を書く
録画を見ても同じ説明ができるくらい、具体的な出来事だけを1文にします。
自分の受け取り方を書く
「私はこう受け取った」「私はこう感じた」と、自分側の解釈として表します。
次の行動を頼む
「気をつけて」ではなく、いつ、何をしてほしいのかが分かる言葉にします。
事実:昨日17時までに受け取る予定だった資料が、今朝の時点でまだ届いていない。
解釈:予定が分からないため、次の作業が遅れるのではないかと心配した。
要望:間に合わない可能性があるときは、16時までに一度知らせてもらえると助かる。
「いつも遅い」「仕事を軽く考えている」と伝えるよりも、どの出来事について困り、これから何を変えてほしいのかが分かります。相手も、自分の事情や考えを説明しやすくなります。
意見が一致しなくても次の行動が決まれば前へ進めます
話し合いでは、すべての考えを一致させる必要はありません。同じ出来事を見ても、立場や経験によって受け取り方が違うことはあります。
大切なのは、事実として確認できた部分と、互いに違う解釈を持っている部分が分かっていることです。そのうえで次の行動を決められれば、考えが完全に同じでなくても仕事や生活は進められます。
- 実際に起きたことについて、互いの認識を確認できましたか?
- 自分の解釈を相手の意図だと決めつけずに話せましたか?
- 相手がどのように受け取っていたのかも聞けましたか?
- 次に誰が、いつ、何をするのかを決められましたか?
意見が残ったままでも構いません。「ここまでは同じ認識」「ここからは考えが違う」と分かるだけで、同じ話を何度も繰り返すことを減らせます。
気になっている食い違いを1つだけ3行に整理します
今、誰かとのやり取りで少し気になっていることがあれば、その出来事を1つだけ選びます。相手にすぐ伝える必要はありません。まず自分の中で事実・解釈・要望を分けてみます。
書いている途中で事実と解釈を分けられない部分があれば、そこが確認したい場所です。「これは本当に確認したことか、それとも自分がそう考えているだけか」と問い直します。
今日のポイント
- 気になっている出来事を1つだけ選ぶ
- 確認できる事実を1文で書く
- 自分の解釈や気持ちを1文で書く
- 次にしてほしいことを1文で書く
3行に整理してから話すだけでも、「何となく腹が立つ」「どうして分かってくれない」といった状態から抜けやすくなります。必要なら相手の考えを聞きながら、3行の内容を修正して構いません。
考えを一致させる前に何が違うのかを整理する
意見が食い違ったとき、最初から相手を説得しようとすると話が複雑になりやすくなります。まずは、実際に起きたことと、それを自分がどう受け取ったのかを分けることから始めます。
そのうえで、これからどうしてほしいのかを具体的に伝えます。相手にも別の解釈があれば、それを聞いて構いません。すべての考えが一致しなくても、違っている場所が分かれば話は整理できます。
最初から上手に話す必要はありません。話しにくい場面ほど、事実・解釈・要望の3行へ一度書き分け、自分の言葉を整えてから話してみてください。
話す前に確認したいこと
- 確認できる事実と自分の解釈を分けていますか?
- 相手の気持ちや意図を推測だけで決めていませんか?
- 相手の受け取り方を聞く余地を残していますか?
- これからしてほしい行動を具体的に伝えられますか?
