住宅購入の予算を決める前に増える住居費を先に試す方法

住宅を購入しようとすると、物件価格と一緒に「毎月の返済額」が表示されることがあります。今の家賃とあまり変わらなければ、「このくらいなら払えそう」と感じることもあるでしょう。

ただ、購入後の住居費は住宅ローンの返済だけではありません。住宅の種類によっては管理費や修繕積立金があり、税金や保険、住宅を維持するためのお金も考えておく必要があります。

そこで購入予算を決める前に、購入後に想定している住居費と、今払っている住居費の差を確認します。その差額を実際に今の家計から取り分け、しばらく生活してみます。

計算上は払える金額でも、実際にその金額を毎月使わずに暮らせるかは別の問題です。先に小さく試すことで、購入後も無理なく続けられる予算なのかを考えやすくなります。

最初にすること

今の住居費を確認する

現在、住むために毎月どのくらい払っているかを確認します。

次にすること

購入後の住居費を作る

返済額だけでなく、購入後に続く費用も含めて毎月の負担へ置き換えます。

最後にすること

差額を先に取り分ける

増える予定の住居費を使わずに生活し、家計への影響を実際に確かめます。

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今の家計を確認する

まず現在の住居費を1か月分確認します

新しい家の予算を見る前に、今の暮らしで住まいにいくら使っているのかを確認します。

賃貸なら家賃だけを見るのではなく、毎月一緒に払っている管理費や駐車場代などがあれば、それも含めます。現在すでに持ち家に住んでいる場合は、今の住まいで継続的に負担している費用を確認します。

  • 毎月の家賃や住宅ローン返済
  • 管理費や共益費など毎月払っている費用
  • 駐車場など住まいと一緒に必要になる費用
  • 年単位で払う住居関連費があれば月単位へ置き換える
比べる基準を先に作ります

現在の住居費が分からないまま購入後の返済額だけを見ると、実際にいくら負担が増えるのかが分かりません。まず今の暮らしの基準を作ります。

細かい金額を完璧にそろえることが目的ではありません。普段の家計から、住まいのためにどの程度のお金が出ているのかを確認できれば十分です。

02
購入後の負担を考える

住宅ローン以外の費用も毎月の負担へ置き換えます

購入を検討するときは、住宅ローンの毎月返済額が目立ちます。しかし、購入後の家計を考えるなら、住み続けるために必要になる費用も一緒に見ます。

1

毎月払うもの

住宅ローンの返済に加え、マンションなら管理費や修繕積立金など、毎月続く費用を確認します。

2

年単位で払うもの

税金や保険など毎月ではない費用は、年間の見込み額を月単位へ置き換えて考えます。

3

将来に備えるもの

戸建ての修繕や専有部分の設備交換など、家を維持するためのお金も家計の外へ置かないようにします。

すべての住宅で同じ費用が発生するわけではありません。購入する住宅の種類、契約内容、管理状況などによって必要な項目は変わります。

大切なのは、住宅ローンだけを「住居費」と考えないことです。購入を検討している物件について、実際に必要になる費用を確認してから合計します。

03
実際の家計で試す

増える予定の住居費を先に取り分けて暮らします

現在の住居費と、購入後に想定している住居費が出たら、その差を確認します。

購入後の方が高くなる場合は、その差額を「すでに住宅を購入したつもり」で毎月の家計から先に取り分けます。別の口座や普段使わない場所へ移して、そのお金を生活費として使わずに過ごしてみます。

差額を出す

購入後の想定住居費から、現在の住居費を引き、毎月増える予定の負担を確認します。

先に分ける

給料などが入ったら、増える予定の金額を生活費より先に別の場所へ移します。

そのまま暮らす

残ったお金で普段どおり暮らし、食費や楽しみ、貯蓄などへ無理が出ないか確かめます。

購入後の住居費が今より増える場合

現在払っている住居費と、購入後の住宅ローンや継続費用を合わせた金額を比べます。

例えば差額が出たなら、その金額を給料が入った直後などに別の場所へ移します。その状態で1か月生活し、「数字として払える」ではなく「実際に払ったつもりでも暮らせる」かを確認します。

最初は1か月試し、普段と違う支出が多かった月なども確認したければ、期間を延ばします。購入を急ぐ必要がなければ、複数の月で試すと家計の変化を見つけやすくなります。

取り分けたお金は、住宅購入を決めなかった場合でも手元に残ります。購入前だからこそ、元へ戻せる形で家計への影響を試せます。

04
試した後に確認する

差額を払えたかではなく暮らしが続けられるかを見ます

差額を取り分けられたからといって、すぐその購入予算で問題ないと決める必要はありません。

試した期間に、どこかへ無理が移っていないかを確認します。

  1. 食費や日用品など必要な支出を無理に減らしていませんか?
  2. 趣味や家族との時間など、残したい暮らしまで削っていませんか?
  3. これまで続けていた貯蓄や将来への準備が止まっていませんか?
  4. 予定外の支出があった月でも対応できそうですか?
  5. この状態を住宅購入後も長く続けたいと思えますか?

差額を取り分けるたびに生活費が足りなくなるなら、購入を諦めるという意味ではありません。物件価格を下げる、借入額を見直す、住宅の条件を変える、購入時期を延ばすなど、予算側を調整できます。

反対に、無理なく生活できた場合も、収入や家族構成が変わったときのことまで含めて最終的な予算を確認します。

05
今日からできること

候補物件を1つ使って仮の住居費を作ります

まだ購入する物件が決まっていなくても、気になっている物件や予算帯を1つ選べば試せます。

今日のポイント

  • 現在の1か月分の住居費を確認する
  • 候補物件の住宅ローン返済額以外の継続費用も確認する
  • 年単位の費用は月単位へ置き換える
  • 購入後の想定住居費と現在の住居費との差を出す
  • 次の収入日から差額を先に取り分けて暮らしてみる

試した結果、負担が大きければ予算を下げてもう一度試せます。余裕があっても、すぐ上限まで予算を増やす必要はありません。

「いくら借りられるか」ではなく、「いくらなら今の暮らしを大きく崩さず払い続けられそうか」を探すために使います。

買える金額より、払った後も暮らせる金額で考えます

住宅購入では、物件価格や借入可能額が大きな数字として見えます。しかし、購入後に毎月続くのは、住宅そのものではなく、その住居費を払ったあとの暮らしです。

住宅ローンの返済だけを見るのではなく、購入後に続く費用を含めて住居費を考えます。そして、今より増える金額があるなら、購入する前にその金額を家計から取り分けて生活してみます。

実際に試して無理があれば、契約後ではなく購入前に予算を調整できます。物件価格を変える、条件を変える、時期を変えるという選択も残っています。

住宅購入の予算は、「審査で借りられる金額」だけで決めるものではありません。住居費を払ったあとにも、自分や家族が続けたい暮らしを残せるかまで確認して決めます。

住宅購入の予算を決める前の最終チェック

  • 現在の住居費を確認しましたか?
  • 住宅ローン以外の継続費用も確認しましたか?
  • 購入後に増える住居費を計算しましたか?
  • その差額を実際に家計から取り分けて暮らしましたか?
  • 住居費を払ったあとも残したい暮らしを続けられそうですか?