できることが増えても満足できない人へ|「これで十分」と感じた経験から自分の満足の条件を見つける

前よりできることが増えた。欲しかったものが手に入った。予定していたことも終わった。それなのに、「これで十分」と感じられず、すぐ次のことを探してしまうことがあります。

できることが増えるのは悪いことではありません。ただ、「もっとできれば満足できる」と考え続けると、どこまで増やしても終わりが見えなくなる場合があります。

そんなときは、まだ足りないものを探すより、これまでに自分が実際に「今日はこれでよかった」「この時間はよかった」と感じた場面を振り返ってみます。

そこから満足につながっていた条件を1つ見つけると、自分にとっての「十分」を、他の人や数字ではなく自分の経験から考えられるようになります。

最初にすること

「もっと」の終わりを確認する

何を増やせば満足するのかではなく、今どこに終わりがない状態なのかを見ます。

次にすること

満足した経験を見る

実際に「これでよかった」と感じた場面から、満足を作った条件を探します。

最後にすること

十分な条件を1つ残す

次の似た場面では量を増やさず、見つけた条件を残して満足が続くか確かめます。

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01
今の状態に気づく

増えているのに足りないと感じる場面を見つけます

満足できないと感じると、「もっと増やせば変わるのでは」と考えやすくなります。もっと仕事を終わらせる、もっと予定を入れる、もっと上を目指す、もっと便利にするなど、増やせるものはいくらでもあります。

ただ、何をもって十分とするかが決まっていないと、増えたあとにも次の不足が見つかります。そこで最初に、今の自分が「まだ足りない」と感じやすい場面を確認します。

  • 1つ終わると、すぐ次にやることを探している
  • 以前よりできているのに、達成した感覚があまり残らない
  • 他の人の量や成果を見ると、自分も増やしたくなる
  • 「ここまでなら十分」と言える地点が思いつかない
不足ではなく「終わりがないこと」が原因の場合があります

何かが本当に足りない場合もあります。ただ、すでに必要なものがあるのに区切りが決まっていないため、次々と新しい不足を探していることもあります。

02
満足の中身を知る

「もっと欲しいもの」ではなく「よかった理由」を見ます

自分にとって十分な状態を考えるとき、「理想の生活」を最初から作る必要はありません。理想だけを考えると、今より多くのものを加える話になりやすいからです。

代わりに、最近の実際の経験から「この時間はよかった」「今日はこれで十分だった」と感じた場面を1つ思い出します。

1

何があったか

どこにいたか、誰といたか、何をしていたかなど、その場面を具体的に思い出します。

2

何がよかったか

量や成果ではなく、落ち着けた、集中できた、話せた、納得して選べたなど理由を探します。

3

何がなくても平気だったか

もっと予定や成果や刺激がなくても、満足できていた部分がなかったかを確認します。

満足を作ったものは、大きな出来事とは限りません。自分で選べたこと、急がずに済んだこと、誰かと話せたこと、1つのことへ集中できたことなどが、自分にとって大きな意味を持っている場合もあります。

03
十分な条件を試す

満足につながった条件を1つだけ次の場面へ残します

満足した場面が見つかったら、その場面をそのまま再現しようとするのではなく、「何があると自分は十分だと感じやすいのか」を1つだけ取り出します。

次に似た場面が来たときは、新しいものを追加する前に、その条件を残すことを優先します。

満足した場面を1つ選ぶ

「もっとできた日」ではなく、「これでよかった」と自然に思えた場面を選びます。

条件を1つ取り出す

落ち着いていた、納得して選べた、話す時間があったなど、自分に効いていた条件を1つ選びます。

量を増やさず試す

次の似た場面では、もっと多くする前に、その条件だけを残して満足感がどう変わるか見ます。

例えば、休日の終わりに「今日はよかった」と感じた場合

その日に特別な場所へ行ったわけでも、多くの用事を終えたわけでもなかったとします。それでも満足できた理由を振り返ると、「自分でやりたいことを選び、途中で急かされなかった」ことが大きかったと気づくかもしれません。

この場合、「休日には多くの予定を入れる」ことを満足の条件にする必要はありません。次の休日は、予定を増やす前に「自分で選んだことを、途中で急がずにできる」という条件を1つ残します。

その結果、予定の数が少なくても前回と同じような満足が残るなら、自分にとって大切なのは量ではなく、その条件だったと考えられます。

反対に、同じ条件を残しても満足しなかったなら、その条件が間違っていたと分かります。そのときは量を増やす前に、別の理由を1つ選び直します。

04
満足が残ったかを見る

「もっとできたか」ではなく「十分だったか」を確かめます

試した後は、以前より多くできたかを評価する必要はありません。今回確かめたいのは、自分が選んだ条件を残したことで「これでよかった」と感じられたかどうかです。

  1. 予定や成果を増やさなくても、終わったあとに満足感は残りましたか?
  2. 選んだ条件があることで、以前より落ち着いてその時間を過ごせましたか?
  3. 「もっとやらなければ」という気持ちは少し弱まりましたか?
  4. 振り返ると、別の条件の方が自分にとって大切だったと感じませんでしたか?

満足感が残ったなら、その条件を自分にとっての「十分」を判断する材料として残せます。同じ種類の場面で、毎回もっと増やす必要があるかを考える前に使えます。

思ったほど満足しなかった場合は、予定や量をすぐ増やすのではなく、選んだ条件を入れ替えます。「急がなかった」より「誰かと話せた」の方が大切だった、と分かることもあります。1回ずつ条件を変えると、自分が何を大切にしているのかが見えやすくなります。

05
今日からできること

最近「これでよかった」と思えた場面を1つだけ思い出します

自分にとっての幸せを一度に言葉にしようとすると、大きすぎて答えにくくなります。今日は人生全体ではなく、最近の具体的な1場面だけを使います。

今日のポイント

  • 最近「これでよかった」と感じた場面を1つ思い出す
  • その場面で何が満足につながっていたかを考える
  • なくても困らなかったものを確認する
  • 満足に関係した条件を1つだけ選ぶ
  • 次の似た場面で、その条件を残して試す

最初から一生使える基準を作る必要はありません。仕事、休日、人との時間、一人で過ごす時間など、場面が変われば十分だと感じる条件も変わります。

だからこそ、実際に過ごしてみた後の感覚を使います。満足できたなら残し、違ったなら別の条件へ変える。その繰り返しで、自分にとって大切なものを具体的にしていけます。

幸せの基準は「もっと」ではなく「これでよかった」の中から探せる

できることや選べるものが増えると、「もっと良くできる」という可能性も増えます。それは便利な一方で、どこまで進めば十分なのかを分かりにくくすることがあります。

そんなとき、自分に足りないものを増やすことだけが方法ではありません。すでに経験した中から、「これはよかった」と感じた場面を見つけ、そのとき何が満たされていたのかを見る方法があります。

そこで見つけた条件を次の似た場面へ1つ残してみます。それで満足できれば残し、違えば変える。自分にとっての十分な状態は、誰かと同じ数字を目指すのではなく、自分が実際に感じた結果から作っていくことができます。

自分にとっての「十分」を考えるときの確認ポイント

  • 「もっと増えれば満足できる」とだけ考えていませんか?
  • 最近「これでよかった」と思えた場面がありますか?
  • その満足を作った条件を1つ見つけられましたか?
  • 量を増やさず、その条件だけを残して試せますか?
  • 試した後の感覚から条件を残すか変えるか判断できますか?